【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
わたしのいるこのレクトマリア神聖王国は、愛と豊穣の女神の加護のおかげで、豊かで穏やかな国だった。
「暗い気持ちになっちゃうわよねぇ」
「ほんと、何かあるんじゃないかしら……」
ところが、最近天候が不安定で作物の出来が悪く、生まれる子供の数も減っているという。
女神の力が薄れてきているのではないか……という巷の噂は、わたしも知っていた。
みんな、なんとなく不安になっている。
今回の聖女選定の儀は、また安定した生活を取り戻したい人々の希望となっていた。
その時、祭壇の水晶がひときわまぶしく輝いた。白い光が目の裏で明滅する。
「おお、これは……」
「女神よ!」
水晶のまわりに並んでいた神官達の叫ぶ声が聞こえた。
「なに? 何があったの?」
「あの光は?」
周囲を囲む少女達やその付き添いの親がどよめいている。
背伸びをしてざわめきの中心を覗きこむと、そこには長く真っ直ぐな黒髪が見えた。
モーリーンだ!
まさか、モーリーンが本当に聖女だったの……?
「……聖女様……」
「聖女様だ!」
興奮したようなささやき声が、やがて歓声に変わった。
「暗い気持ちになっちゃうわよねぇ」
「ほんと、何かあるんじゃないかしら……」
ところが、最近天候が不安定で作物の出来が悪く、生まれる子供の数も減っているという。
女神の力が薄れてきているのではないか……という巷の噂は、わたしも知っていた。
みんな、なんとなく不安になっている。
今回の聖女選定の儀は、また安定した生活を取り戻したい人々の希望となっていた。
その時、祭壇の水晶がひときわまぶしく輝いた。白い光が目の裏で明滅する。
「おお、これは……」
「女神よ!」
水晶のまわりに並んでいた神官達の叫ぶ声が聞こえた。
「なに? 何があったの?」
「あの光は?」
周囲を囲む少女達やその付き添いの親がどよめいている。
背伸びをしてざわめきの中心を覗きこむと、そこには長く真っ直ぐな黒髪が見えた。
モーリーンだ!
まさか、モーリーンが本当に聖女だったの……?
「……聖女様……」
「聖女様だ!」
興奮したようなささやき声が、やがて歓声に変わった。