【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
「でも……、でも! 聖なる水晶がヴォルフの神力に反応していたということは、わたしもモーリーンみたいに、仮に神力をまとっていただけなのではないの?」
「そうだとしても、もうマリアーナ以上に神力をまとう女性は現れない。たとえ本来の聖女がいたとしても、俺の神力はそれとは比べようがないほど強い」
「…………」
「俺はもう、マリアーナ以外の女をそばに寄せるつもりはないんだ」
ヴォルフがわたしの二の腕をつかみ、燃えるような瞳でわたしを見た。
「俺から離れれば、やがて聖女ではなくなるかもしれない。いつか普通の女性として、人間の男の妻になり、母になれるかもしれない」
その瞳の奥に揺らめく影はなんだろう。激情のような、躊躇いのような、そして歓喜のような、悲哀のような、相反する感情が表れては消える。
金色の虹彩がひときわ強く輝くと、ヴォルフはわたしを息が詰まるほどの力で抱き寄せた。
「だが、マリアーナ……、絶対に離さない。人間でも、神々でも、俺からおまえを奪うものは許さない」
首筋にあたるヴォルフの息が熱い。
そっと抱き返すと、広い背中がかすかに震えていた。
「そうだとしても、もうマリアーナ以上に神力をまとう女性は現れない。たとえ本来の聖女がいたとしても、俺の神力はそれとは比べようがないほど強い」
「…………」
「俺はもう、マリアーナ以外の女をそばに寄せるつもりはないんだ」
ヴォルフがわたしの二の腕をつかみ、燃えるような瞳でわたしを見た。
「俺から離れれば、やがて聖女ではなくなるかもしれない。いつか普通の女性として、人間の男の妻になり、母になれるかもしれない」
その瞳の奥に揺らめく影はなんだろう。激情のような、躊躇いのような、そして歓喜のような、悲哀のような、相反する感情が表れては消える。
金色の虹彩がひときわ強く輝くと、ヴォルフはわたしを息が詰まるほどの力で抱き寄せた。
「だが、マリアーナ……、絶対に離さない。人間でも、神々でも、俺からおまえを奪うものは許さない」
首筋にあたるヴォルフの息が熱い。
そっと抱き返すと、広い背中がかすかに震えていた。