今宵も甘く咲く ~愛蜜の贄人形~
揺れた叶の眼差し。彼の本心が少しだけ剥がれて見えた。あたしの答えが思いも寄らなかったかのように。

逃がさないって言わないの?力尽くで征服しないの?あたしに選べなんて・・・本当に狡いひと。
 
「叶が選んで。・・・言う通りにするから」

叶の視線が固まる。微かに眸を見開いて口許を歪めた。

「狡いんだね・・・スズは」

「・・・・・・・・・」

「自分の値段を僕につけさせたこと、きっといつか後悔するよ」

あたしを組み敷いてバスローブを剥ぎ取った叶。のしかかる重み。首筋をきつく吸われながら、指が這い回る。今までに無く責め立てられ、啼いて壊れた。誰に何をされているのかも、・・・解らないほど。
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