今宵も甘く咲く ~愛蜜の贄人形~
普段は。ドラマやバラエティー番組をふつうに観るあたしに付き合って一緒にいても、たいがい本や雑誌に目を向けているから珍しい。
何かの討論番組なのか、政治家やジャーナリストの肩書で出演者が紹介されている。顔だけ憶えがあったり初耳だったり。
「面白い?」
「・・・いや」
薄く笑んだ目の奥が凍ったように冷えて見えた。気がした。
「低俗な番組で暇つぶしにもならないかな」
言ってあたしの手を引き、隣りに座らせた叶。
「スズの顔を眺めてる方が飽きないよ。・・・ほら」
鼻筋の通った端正な顔立ちが近付いてきて。間近で見つめられるから、頬が火照って心臓が落ち着かなくなる。
「・・・そんなに見ないで・・・」
何かの討論番組なのか、政治家やジャーナリストの肩書で出演者が紹介されている。顔だけ憶えがあったり初耳だったり。
「面白い?」
「・・・いや」
薄く笑んだ目の奥が凍ったように冷えて見えた。気がした。
「低俗な番組で暇つぶしにもならないかな」
言ってあたしの手を引き、隣りに座らせた叶。
「スズの顔を眺めてる方が飽きないよ。・・・ほら」
鼻筋の通った端正な顔立ちが近付いてきて。間近で見つめられるから、頬が火照って心臓が落ち着かなくなる。
「・・・そんなに見ないで・・・」