気になるあの子はヤンキー(♂)だが、女装するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!
等価交換
お尻処女が逝ってしまったことに対し、俺は便座の上で手と手を合わせて黙とう……もちろん、号泣して。
しばらくすると、扉がノックされた。
「タッくん? 大丈夫? そんなに痛いの?」
アンナが心配そうに声をかけてくる。
「ふぅ……」
よし気持ちの切り替えOK!
張り切っていこう!
便座から立ち上がって、扉越しに返事をしてみる。
「ああ。痛くないぞ。ちょっと驚いただけだ。問題ない」
本当は大有りなんだけどね。
「そっか☆ じゃあ、代わりの着替えを渡したいから、ドアの鍵開けてくれる? 今のタッくんは……裸だろうから、アンナは目を瞑るね?」
そう言えば、尻へのダメージばかり考慮していて、自分の身なりを気にしていなかった。
まだ生まれたばかりの姿じゃないか。
「すまんな。今開けるよ」
鍵を外しゆっくり扉を開く。
アンナが廊下に立っていた。
いつもキラキラと輝くグリーンアイズは、ぎゅっと瞼で閉じてしまっている。
そんなに俺の裸が嫌なのか?
小さな両手には白いバスローブと……ん?
ピンクのなにか、小さく丸く折りたたんでいるハンカチ?
「タッくん、これ使って。浴衣はもうシミが取れなかったし」
「ああ……じゃあ、トイレの中で着て来るよ」
「うん。その、渡したのって……まだ一回ぐらいしか、使ってないやつだし。洗濯もしているキレイなやつだから、気にしないでね。アンナだって、タッくんに他の女の子のを履かれたくないから……。仕方ないから、今回だけ特別だよ? 福岡に帰ったら、ソレ捨てていいから」
「ん?」
頬を赤くしている。
その姿からして、恥ずかしがっているのか?
要領を得られないでいた俺は、首を傾げながら、とりあえず差し出された物を受け取り、再び扉を閉めた。
ホテルのトイレはユニットバス式だったから、隣りにシャワールームがある。
小さなカゴがあって、そこにアンナから受け取った物を置き、着替えを始めた。
まずはバスローブを羽織ってみる。
ノーパンで過ごせってことか……。
まあ仕方ないか、なんてローブの紐を結ぼうとした瞬間。
あるものに気がつく。
もう一つの物体だ。
ピンクの小さな丸くて柔らかい生地の……。
カゴから手に取って、広げてみる。
「こ、これは!?」
ピンクの可愛らしいリボン付き、正真正銘女の子のパンティーじゃあないか!
アンナが頬を赤くしていた理由は、このことだったのか……。
た、確かに、これは素晴らしい提案、いやカノジョ役には辛いことをさせてしまったな。
しかし、ノーパンで福岡に帰るよりはマシだろう。
「よし、やるか」
深呼吸した後、ゆっくりとうら若き女子のおパンツを足先からすぅーっと太ももまであげてみる。
き、きつい……宗像先生の汚パンツとは違って、細すぎるウエストに、小桃サイズのヒップ。
男の俺からしたら、ギチギチだ。
腰まで全部履き終えると、なんとも言えない高揚感が湧き上がってくる。
見慣れないリボンが股間の上にあり、下の生地はスイートピーがキレイに刺繍されている。
男もののパンツなら、前面は余裕があるはずだが、これは締め付けられるぐらいのデザイン。
痛い。だが、それも含んで、アンナに包まれているような優しさを感じてしまう。
ふと、自身の尻を撫で回してみた。
後ろの生地は前面と違い、サテンのようなツルツルとした生地で、なんとも肌触りが良く、とある誤解を生んでしまう。
それは……。
「あれ。俺って今、間接的にアンナの尻を撫で回しているのでは?」
そう思うと、胸がバクバクとうるさく高鳴る。
鼻息が荒くなり、理性がブッ飛ぶ。
自然と俺の股間がパンパンに膨れ上がろうとしたその瞬間、ギチィ~ッとアンナのパンティーがそれを強制的に抑え込む。
『いやぁ! タッくんたら、ダメェ~!』
なんておパンツちゃんが叫んでいるようだった。
「ふぅ」
さ、部屋に戻ろう。
福岡に帰るのが楽しみだ。これは小説の取材した結果だ。
資料としてちゃんと保管しておこう。