「槙野だったら、何味にする?」
涼太の唇も冷たかった。

そっと触れた二回目のキスが、あの頃よりもかなしくて、心の中でヤヨちゃんごめんって思ったけれど、何で動けなかったのか分からない。

かなしくてかなしくて、たまらなかった。きっとそれは涼太も同じで、どれだけ…、もうこれ以上二人で罪を重ねたって、僕達の恋はもう、特別にはならない。
自分の手でどれだけ壊しても誰も救われない。

ごめん。ぜんぶ、なくなっちゃえばいいのに。
そしたらずっと三人で変わらず居られたのに。
恋なんてしなきゃよかったね。そしたらなんにも壊れたりしない。
それでも、それでも好きだよ。 ごめんね。

涼太が「しょっぱい。」って言った。あの夏とは違った。涼太が泣いているせいだと思った。
その涼太が、指先で、僕の涙をぬぐった。
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