「槙野だったら、何味にする?」
頭の中では何を食べようか考えていた。今日はお弁当を持ってきていない。食堂に行ってカレーにするか、うどんにするか、今日の日替わりランチはなんだろう。それとも購買に行って…。
「槙野、お弁当?」
ちょうど考えていたことをヤヨちゃんが聞いてくれてうれしかった。
「ううん。今日は持ってきてない。ヤヨちゃんは?」
「私も。」
「そっか。どうする?食堂か、購買か…」
「購買がいいな。今日は焼きそばパンの気分!」
ヤヨちゃんが即答する。「うん。分かった。」って答えながら、僕は嘘だ、と思っていた。
ヤヨちゃんがお弁当を持ってくることは滅多にないし、食堂を使うことも珍しい。「焼きそばパンの気分」っていうのも嘘。ヤヨちゃんの中には焼きそばパンの選択肢しかない。
もしかしたら今日は食堂って言ってくれるかもしれない、購買だとしてもメロンパンかもしれない。そんな期待をしていたけれど、うまくはいかない。
「じゃあさ、屋上で食べよっか。」
僕が提案する。
「本当!?うん!」
最初からそのつもりだったくせに。それでもいいか。うん。いいんだ。だってもし仮にヤヨちゃんのことを好きな人が他にもいたとして、その人はこうやってヤヨちゃんとお昼ごはんを食べたり、保健室に迎えにきてもらったりはできないんだ。
僕は贅沢だ。隣に居られるだけで。ヤヨちゃんが僕の名前を呼んでくれるだけで。それだけでいいんだ。
「槙野、お弁当?」
ちょうど考えていたことをヤヨちゃんが聞いてくれてうれしかった。
「ううん。今日は持ってきてない。ヤヨちゃんは?」
「私も。」
「そっか。どうする?食堂か、購買か…」
「購買がいいな。今日は焼きそばパンの気分!」
ヤヨちゃんが即答する。「うん。分かった。」って答えながら、僕は嘘だ、と思っていた。
ヤヨちゃんがお弁当を持ってくることは滅多にないし、食堂を使うことも珍しい。「焼きそばパンの気分」っていうのも嘘。ヤヨちゃんの中には焼きそばパンの選択肢しかない。
もしかしたら今日は食堂って言ってくれるかもしれない、購買だとしてもメロンパンかもしれない。そんな期待をしていたけれど、うまくはいかない。
「じゃあさ、屋上で食べよっか。」
僕が提案する。
「本当!?うん!」
最初からそのつもりだったくせに。それでもいいか。うん。いいんだ。だってもし仮にヤヨちゃんのことを好きな人が他にもいたとして、その人はこうやってヤヨちゃんとお昼ごはんを食べたり、保健室に迎えにきてもらったりはできないんだ。
僕は贅沢だ。隣に居られるだけで。ヤヨちゃんが僕の名前を呼んでくれるだけで。それだけでいいんだ。