「槙野だったら、何味にする?」
僕はヤヨちゃんが来る前にはシャワーを済ませていた。もうすぐ七時になる。
「テレビ始まる前にご飯食べちゃう?どうしよっか。」
やっぱり宅配にするかなと思っていくつかダウンロードしておいた宅配アプリを開こうとしている僕に、ヤヨちゃんが言った。
「忘れてた!これ!」
ヤヨちゃんが僕に紙袋を差し出す。そう言えばうちに来た時に、ヤヨちゃんが紙袋を持っていたことを思い出した。何だろうと思いながら、紙袋を覗く。
「うわ、カツサンドだ!」
中身は透明のランチパックに入ったカツサンドだ。
「どうしたの、このカツサンド。」
座って、とヤヨちゃんをダイニングテーブルの方に促した。取り分ける皿、ペーパーナプキン、何に使うか分からないけれど一応フォークも用意した。
ヤヨちゃんが椅子に座りながら言う。
「槙野、カツサンド好きでしょ?お泊まりのお礼に作ってきたの。」
「ヤヨちゃんが作ってくれたの!?やったー。」
ヤヨちゃんが泊まりにくるだけじゃなく、手料理まで食べられるなんて最高だ。
「飲み物、何がいい?麦茶、アイスコーヒー、あったかいお茶もあるよ。それと、りんご…」
「りんごジュース!パン系にはりんごジュースだよ。焼きそばパンにも。」
ヤヨちゃんが即答する。僕がヤヨちゃんを見て、目が合う。ヤヨちゃんが笑って、僕はちょっとだけ泣きそうになって、笑った。もしかしたら顔には出ていたかもしれない。
ヤヨちゃんが涼太の前で強がったっていいよ。本当は苦手な物を好きなふりして涼太の気を引いたっていい。涼太の前では出来ないことを、僕の前では晒したっていい。涼太を好きなままで、僕を利用したっていい。その全部が、僕の好きなヤヨちゃんだ。
「テレビ始まる前にご飯食べちゃう?どうしよっか。」
やっぱり宅配にするかなと思っていくつかダウンロードしておいた宅配アプリを開こうとしている僕に、ヤヨちゃんが言った。
「忘れてた!これ!」
ヤヨちゃんが僕に紙袋を差し出す。そう言えばうちに来た時に、ヤヨちゃんが紙袋を持っていたことを思い出した。何だろうと思いながら、紙袋を覗く。
「うわ、カツサンドだ!」
中身は透明のランチパックに入ったカツサンドだ。
「どうしたの、このカツサンド。」
座って、とヤヨちゃんをダイニングテーブルの方に促した。取り分ける皿、ペーパーナプキン、何に使うか分からないけれど一応フォークも用意した。
ヤヨちゃんが椅子に座りながら言う。
「槙野、カツサンド好きでしょ?お泊まりのお礼に作ってきたの。」
「ヤヨちゃんが作ってくれたの!?やったー。」
ヤヨちゃんが泊まりにくるだけじゃなく、手料理まで食べられるなんて最高だ。
「飲み物、何がいい?麦茶、アイスコーヒー、あったかいお茶もあるよ。それと、りんご…」
「りんごジュース!パン系にはりんごジュースだよ。焼きそばパンにも。」
ヤヨちゃんが即答する。僕がヤヨちゃんを見て、目が合う。ヤヨちゃんが笑って、僕はちょっとだけ泣きそうになって、笑った。もしかしたら顔には出ていたかもしれない。
ヤヨちゃんが涼太の前で強がったっていいよ。本当は苦手な物を好きなふりして涼太の気を引いたっていい。涼太の前では出来ないことを、僕の前では晒したっていい。涼太を好きなままで、僕を利用したっていい。その全部が、僕の好きなヤヨちゃんだ。