「槙野だったら、何味にする?」
「はー。そっかー。槙野はもう大人なのかー。」
ヤヨちゃんが言いながら、ドサっとベッドに寝転んだ。僕ももう一度布団に寝転ぶ。ドキドキしているのが分かった。ヤヨちゃんにそんなこと聞かれるなんて当然思っていなかったから体が強張っていた。布団に寝転んでゆっくり深呼吸を繰り返すと落ち着いてきた。
「いつしたの?高校に入ってから?私の知ってる人?」
さっきまでのいつもと雰囲気の違うヤヨちゃんから、またいつもの無邪気なヤヨちゃんに戻っている。ブランケットを肩までかけて、僕の方に横向きになっている。
僕は仰向けのままで答えた。ヤヨちゃんの顔を見れなかった。
「中学の時だよ。ヤヨちゃんは…知らないんじゃない。」
「りょうちゃんは?」
「さぁ…。小さい中学だからね。人くらいは…知ってると思うけど。」
「えー!そうなの!今度聞いてみよっかなぁ。」
ヤヨちゃんの声は楽しそうだ。楽しそうなヤヨちゃんは好きだ。いつでもヤヨちゃんにだけは楽しくいてもらいたい。でもこの話は僕はあんまり好きじゃない。
「だーめ。」
「なんで?」
「んー。あとでからかわれたら面倒だから。」
「りょうちゃんはそんなことしないもん。」と、ヤヨちゃんはおもちゃを取り上げられた子供みたいな口調で言った。
「僕が恥ずかしいからだめ。」
はーいって言いながら「じゃあさ、二人だけの秘密にしようね!」ってヤヨちゃんは言った。
二人だけの秘密…と思いながら僕は何も答えなかった。
ヤヨちゃんが言いながら、ドサっとベッドに寝転んだ。僕ももう一度布団に寝転ぶ。ドキドキしているのが分かった。ヤヨちゃんにそんなこと聞かれるなんて当然思っていなかったから体が強張っていた。布団に寝転んでゆっくり深呼吸を繰り返すと落ち着いてきた。
「いつしたの?高校に入ってから?私の知ってる人?」
さっきまでのいつもと雰囲気の違うヤヨちゃんから、またいつもの無邪気なヤヨちゃんに戻っている。ブランケットを肩までかけて、僕の方に横向きになっている。
僕は仰向けのままで答えた。ヤヨちゃんの顔を見れなかった。
「中学の時だよ。ヤヨちゃんは…知らないんじゃない。」
「りょうちゃんは?」
「さぁ…。小さい中学だからね。人くらいは…知ってると思うけど。」
「えー!そうなの!今度聞いてみよっかなぁ。」
ヤヨちゃんの声は楽しそうだ。楽しそうなヤヨちゃんは好きだ。いつでもヤヨちゃんにだけは楽しくいてもらいたい。でもこの話は僕はあんまり好きじゃない。
「だーめ。」
「なんで?」
「んー。あとでからかわれたら面倒だから。」
「りょうちゃんはそんなことしないもん。」と、ヤヨちゃんはおもちゃを取り上げられた子供みたいな口調で言った。
「僕が恥ずかしいからだめ。」
はーいって言いながら「じゃあさ、二人だけの秘密にしようね!」ってヤヨちゃんは言った。
二人だけの秘密…と思いながら僕は何も答えなかった。