「槙野だったら、何味にする?」
十一月中旬に文化祭がある。高校最後の文化祭だ。これで最後だから、今までより思い出を作りたいって言うヤヨちゃんの為に、僕と涼太とヤヨちゃんで、文化祭の実行委員に立候補した。
いつもはそういうことに消極的な僕も涼太も、「高校最後」って力説するヤヨちゃんに根負けしたんだ。
僕達三人は、校門前のゲート係になった。ベニヤ板で鮮やかな看板を作ったり、電飾とかバルーンアートも施して派手に装飾していく。一緒にゲート係になった他の同級生や後輩達もみんな気さくで協調性があって、最初はヤヨちゃんよりは乗り気では無かった僕も、今は実行委員になって良かったって思っている。たぶん、涼太も同じだ。
ペンキを塗っている僕達から少し離れた所で、パンっと何かが弾ける音がして、周りに居た生徒達が一斉に音がした方を見た。そんなに大きい音ではないけれど、物が弾ける音は何でも驚いてしまう。
音の犯人は涼太だ。
バルーンアートが得意な同級生から教わっているところだ。お花の形を作るって言ってた。割れてビロビロになった風船を持って、涼太も教えていた同級生も笑っている。涼太はペンキを塗らないから、制服のままだ。ブレザーは脱いでいて、カッターシャツを軽く腕まくりしている。
ヤヨちゃんも「びっくりしたー」って笑っている。
「あーあ。何個目だろ。風船足りるのかな。」
言いながら僕も笑った。本当だねって言いながらヤヨちゃんも楽しそうだし、良かったなって思った。
いつもはそういうことに消極的な僕も涼太も、「高校最後」って力説するヤヨちゃんに根負けしたんだ。
僕達三人は、校門前のゲート係になった。ベニヤ板で鮮やかな看板を作ったり、電飾とかバルーンアートも施して派手に装飾していく。一緒にゲート係になった他の同級生や後輩達もみんな気さくで協調性があって、最初はヤヨちゃんよりは乗り気では無かった僕も、今は実行委員になって良かったって思っている。たぶん、涼太も同じだ。
ペンキを塗っている僕達から少し離れた所で、パンっと何かが弾ける音がして、周りに居た生徒達が一斉に音がした方を見た。そんなに大きい音ではないけれど、物が弾ける音は何でも驚いてしまう。
音の犯人は涼太だ。
バルーンアートが得意な同級生から教わっているところだ。お花の形を作るって言ってた。割れてビロビロになった風船を持って、涼太も教えていた同級生も笑っている。涼太はペンキを塗らないから、制服のままだ。ブレザーは脱いでいて、カッターシャツを軽く腕まくりしている。
ヤヨちゃんも「びっくりしたー」って笑っている。
「あーあ。何個目だろ。風船足りるのかな。」
言いながら僕も笑った。本当だねって言いながらヤヨちゃんも楽しそうだし、良かったなって思った。