「槙野だったら、何味にする?」
校舎に入って、ゆっくりと階段をのぼる。一段、一段。段数を数えることはしなかった。
昔、学校の怪談話を集めた本だったかドラマだかで、学校の七不思議を知った。その中に、学校の階段を数えながらのぼる、その段数が十二段だったら…とかなんとか。小学生だった僕は「怖い話」は「物語」なんかじゃなくて、現実に起こることなんだって信じていた。だから階段の段数は絶対に数えない。
今は信じてるわけじゃないけれど、「怖い」って気持ちが染み付いていて、数えないことにしている。
その七不思議に出てくる階段は、確か音楽室に繋がる階段の話だったけれど。はっきりしたことは憶えていないし、なんなら七不思議だったかどうかも怪しい。
人間の記憶なんていい加減なんだ。自分のことだってあんまり憶えていないのに。
自分が毎年食べていたかき氷の味ですら。
昔、学校の怪談話を集めた本だったかドラマだかで、学校の七不思議を知った。その中に、学校の階段を数えながらのぼる、その段数が十二段だったら…とかなんとか。小学生だった僕は「怖い話」は「物語」なんかじゃなくて、現実に起こることなんだって信じていた。だから階段の段数は絶対に数えない。
今は信じてるわけじゃないけれど、「怖い」って気持ちが染み付いていて、数えないことにしている。
その七不思議に出てくる階段は、確か音楽室に繋がる階段の話だったけれど。はっきりしたことは憶えていないし、なんなら七不思議だったかどうかも怪しい。
人間の記憶なんていい加減なんだ。自分のことだってあんまり憶えていないのに。
自分が毎年食べていたかき氷の味ですら。