くすんだ心、いつか透明になる日まで

バージンロードを歩くのは、純白のドレスに身を包んだ友達。祭壇で待っているのは、私が愛した人。

私は今、2人の結婚を祝福している。

私には、5年間付き合っていた彼氏がいた。彼氏にプロポーズされて、私は彼氏と結婚することになったんだ。

でもある日、彼氏から別れを告げられて……そして、彼氏は私の友達と結婚することになった。

昔のことを思い出してたら苦しくて、私の瞳から涙が零れた。そして、呟くんだ。

「お幸せに」



結婚式が終わった後、私は1人道を歩いていた。

「あれ？真由美(まゆみ)？」

誰かに声をかけられて顔を上げてみれば、そこには幼なじみの宏樹(ひろき)が立っている。宏樹は、心配そうに私を見つめていた。

「宏樹……どうして、ここに……？」

確か、宏樹は都会で仕事をしているはずじゃ……。

「……実は、俺……仕事を辞めてさ、地元に戻ってきたんだ」

そう言って、宏樹は顔を少し赤くすると微笑む。

「そっか……」

「……ねぇ、真由美……大丈夫？」

「……宏樹……」

宏樹の優しい声に耐えられなくなって、私の目からは涙が零れ落ちた。そして、彼氏が友達と結婚したことを話す。

「……そっか。そんなことがあったんだね」