出逢えた、大切な人
「琴美さーん」
役員用の廊下から
振り向けば副社長第2秘書の戸田瞳さん、秘書課に移動してきた初日から普通に声をかけてくれた人。
西洋人形のように白い肌とパッチリとした目に二重、栗色のロングヘアー、彼女のような女性を本当の美人だと初めて合ったときにおもった。
誰にでも優しい、その性格が私も……
私は化粧で誤魔化しているにすぎない。自分で言っておきながらちょっと落ち込みそう。
心の中で正直、全部が羨ましいと、叫んでしまいそうになる。
そんなことを心に押し込んで笑顔で答える。
「瞳さん久しぶりです。ランチですか?」
「琴美さん、せっかく会えたので社食でランチ一緒にどうですか?」
せっかくの誘いだけど、後でお姉様達いじめられたりしないだろうか?
「私と一緒で瞳さんの立場は大丈夫ですか?」
と聞くと優しい笑顔とはっきりした声で大丈夫と答えくれた。
私は安心してほっと小さく息を吐く。
二人でエレベーターに乗り社食へ、昼時なので混雑していたけど、運良く窓際の席に座る事が出来て良かった。