【書籍化】婚約破棄された悪役令嬢ですが、十歳年下の美少年に溺愛されて困っています
彼女はあれきり休んでいるらしく、いろんな噂が飛び交っている。
学園はある意味、社交界の縮図だ。怖い怖い。
「セドリックこそ、想いを寄せられることが多いのだから、気をつけてくださいね」
「僕が興味を持たれているとしたら、学園で数少ない既婚者だからさ。みんなから見たら、大人に思えるんだろう」
セドリックがそれこそ大人びた顔で苦笑した。
セドリックの魅力はそれだけではないと思うけど。それを主張しようとしたら、女子生徒から挨拶をされ、会話は途切れた。
「……おはようございます」
「おはよう」
「ごきげんよう」
女子生徒たちは、あからさまにわたしをおとしめることはしなくなった。
おしとやかに礼をする少女たちの目は、一瞬ギョッとするほど、一律にギラギラとしている。わたしの一挙手一投足に注目しているようなのだ。
大人っぽい女性がモテる、という学園内の流行りのせいで、わたしは格好の研究対象になってしまったらしい……。
セドリックがくすっと笑った。
「女子生徒の憧れの的だね。アーリアの崇拝者が増えてしまった」
それは、ちょっと違うと思うけどね……?
* * * * *
学園はある意味、社交界の縮図だ。怖い怖い。
「セドリックこそ、想いを寄せられることが多いのだから、気をつけてくださいね」
「僕が興味を持たれているとしたら、学園で数少ない既婚者だからさ。みんなから見たら、大人に思えるんだろう」
セドリックがそれこそ大人びた顔で苦笑した。
セドリックの魅力はそれだけではないと思うけど。それを主張しようとしたら、女子生徒から挨拶をされ、会話は途切れた。
「……おはようございます」
「おはよう」
「ごきげんよう」
女子生徒たちは、あからさまにわたしをおとしめることはしなくなった。
おしとやかに礼をする少女たちの目は、一瞬ギョッとするほど、一律にギラギラとしている。わたしの一挙手一投足に注目しているようなのだ。
大人っぽい女性がモテる、という学園内の流行りのせいで、わたしは格好の研究対象になってしまったらしい……。
セドリックがくすっと笑った。
「女子生徒の憧れの的だね。アーリアの崇拝者が増えてしまった」
それは、ちょっと違うと思うけどね……?
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