【書籍化】婚約破棄された悪役令嬢ですが、十歳年下の美少年に溺愛されて困っています
エマはえげつない言葉とは裏腹に、それはそれは可愛らしく微笑んだ。ピンクブロンドの髪が輝き、色白の顔に薄桃色の頬、唇はぷっくりとふくらみ、口づけを待っているかのようだ。
ヒロインだ。
エマはまごうことなきヒロインだった。
「ここはね、乙女ゲームの中の世界なの。ヒロインがイケメンたちに愛されて幸せになる世界。そして、わたしがヒロイン。わたしの選択次第で、みんなわたしに恋をするのよ」
「…………」
「あなたにはわからないと思うけど、これが真理なの」
頭がぐるぐるする。
いろんな出来事が続いて忘れていたけれど、卒業パーティーの時に思ったはずだ。『この場面、乙女ゲームで見たことある』と。
「ふふっ、わからないならわからないでいいけど、聞いてよ。もー誰かに話したくて。推しゲーに転生できるなんて超ラッキー! あなたにならしゃべっても大丈夫よね? 悪役令嬢の言うことなんて誰も信じないもの」
ヒロインだ。
エマはまごうことなきヒロインだった。
「ここはね、乙女ゲームの中の世界なの。ヒロインがイケメンたちに愛されて幸せになる世界。そして、わたしがヒロイン。わたしの選択次第で、みんなわたしに恋をするのよ」
「…………」
「あなたにはわからないと思うけど、これが真理なの」
頭がぐるぐるする。
いろんな出来事が続いて忘れていたけれど、卒業パーティーの時に思ったはずだ。『この場面、乙女ゲームで見たことある』と。
「ふふっ、わからないならわからないでいいけど、聞いてよ。もー誰かに話したくて。推しゲーに転生できるなんて超ラッキー! あなたにならしゃべっても大丈夫よね? 悪役令嬢の言うことなんて誰も信じないもの」