【書籍化】婚約破棄された悪役令嬢ですが、十歳年下の美少年に溺愛されて困っています
「だから、逆ハー確定するためには、セドリックから行こうと思って。おねえさんが教えてあ・げ・る、なーんて。きゃっ」

 頬を赤らめるエマ。とても楽しそうだ。

 これだけ開けっぴろげな人なのだ。窮屈な貴族生活や厳格な王子妃教育など、ストレスがたまりまくっていたのかもしれない。

 そのあともエマは話しつづけていたけれど、あまり頭に入ってこなかった。



 ここは、やっぱり乙女ゲームの世界。

 エマがヒロインで、わたしは悪役令嬢。



 しかし、わたしは婚約破棄をあっさり了承し、なぜかセドリックと婚約してしまった。

 エマの言っている乙女ゲームのストーリーとどれくらい違っているのか。
 セドリックの気持ちは、これからどうなるのか。
 それたルートを正すため、原作の強制力が働くのだろうか。



 不穏な予感が襲ってきて、胸がざわめいた。
 わたしが歩いている道はどこへ向かっているの……?


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