【書籍化】婚約破棄された悪役令嬢ですが、十歳年下の美少年に溺愛されて困っています
セドリックを狙う、というエマの言葉に実感が湧いてくる。エマは『ヒロインの選択』で、セドリックを落とそうとしているのだ。
「あら、わたくしったら殿下のことをついお名前で……」
「あなたのような魅力的な方に親しくしていただけるのは光栄です。どうかセドリック、と」
「ありがとうございます……セドリック」
両手で赤らんだ頬を隠し、うるうると潤んだ瞳でセドリックを見るエマ。
いきなり呼び捨て……? さっさと親密度を上げようとしているってこと?
セドリックもほんのりと頬を赤くして、まぶしそうにエマを見上げていた。
――これは、誰?
熱い目でエマに見入っているこの少年は、本当にセドリック?
わたしに大好きだ、愛しているとささやいたセドリックなの?
わたしはめまいを感じて、胸もとで両手を握りしめた。
攻略対象者はやはりヒロインに惹かれる運命なのだろうか……。
* * * * *
「あら、わたくしったら殿下のことをついお名前で……」
「あなたのような魅力的な方に親しくしていただけるのは光栄です。どうかセドリック、と」
「ありがとうございます……セドリック」
両手で赤らんだ頬を隠し、うるうると潤んだ瞳でセドリックを見るエマ。
いきなり呼び捨て……? さっさと親密度を上げようとしているってこと?
セドリックもほんのりと頬を赤くして、まぶしそうにエマを見上げていた。
――これは、誰?
熱い目でエマに見入っているこの少年は、本当にセドリック?
わたしに大好きだ、愛しているとささやいたセドリックなの?
わたしはめまいを感じて、胸もとで両手を握りしめた。
攻略対象者はやはりヒロインに惹かれる運命なのだろうか……。
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