【書籍化】婚約破棄された悪役令嬢ですが、十歳年下の美少年に溺愛されて困っています
イベント発生!?


 学園長エドワード・モンクリーフは、隠しキャラかもしれない。

 ――という懸念をいだいてから、それなりに警戒してきたはずなのだけど。

 なぜ、わたしは学園長にせまられているのでしょう!?
 このイベント、何? どうして元悪役令嬢に、こんなイベントが発生するの!?

「妃殿下、あなたは魅力的すぎる。このままだと、本気で止まれなくなりそうだ。……ご夫君とは違う、大人の男を知りたくありませんか?」

 腰に響くような低音ボイス。長くてたくましい腕に抱きしめられ……。
 まだ成長期のセドリックとは異なる、しっかりと筋肉の張った広い胸の中に閉じこめられると、悔しいけれどドキドキしてしまう。

 王立高等学園の理事長になってから数日後。三回目の出勤日。

 王族の名誉職的なところもあるので、そんなに頻繁に顔を出さなくてもいいのだが、長らく理事長不在が続いていたので、わたしはとりあえず現状の確認と、たまった執務の整理に来ていた。
 そして、ふとした出来事から、こんなことになってしまったのだった。

 あーあ、こんなことなら、隠しキャラ絡みの理事長の仕事なんて、真面目にやらなければよかった。とほほ……。





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