【書籍化】婚約破棄された悪役令嬢ですが、十歳年下の美少年に溺愛されて困っています
「…………は?」
驚いた。
驚きのあまり、まともな言葉が出てこない。
「あなたの傷心につけこむようなことをしているのはわかっています。けれど、大人しく待っていては誰かにアーリアを取られてしまうから」
「あの……セドリック殿下? 名前の呼び方の問題だけで、婚約を決めるのはどうかと思うのですが……」
前世でも年下好きだったわたしには、確かにセドリックはかなりストライク。
でもまあ、あくまで観賞用だ。恋愛対象としては、ない。
「違います!」
セドリックは憤慨したように顔を赤くした。
「僕は本気です。名を呼んでほしいから、結婚を申しこんだのではありません。愛しいアーリアだからこそ、親しく接してほしいのです」
立ち上がったセドリックは両手で、わたしの手をつかんだ。
昔より大きくはなったけれど、まだわたしより目線は下。子供だ。
その子供が、天使のような美少年が、熱く潤んだ目でわたしを見上げてくる。
「愛しています、アーリア」
もうあかん、だめだこりゃ……。
感情やら理性やら体力やら精神力やら、すべてが限界を突破し、わたしの意識は暗転した。
驚いた。
驚きのあまり、まともな言葉が出てこない。
「あなたの傷心につけこむようなことをしているのはわかっています。けれど、大人しく待っていては誰かにアーリアを取られてしまうから」
「あの……セドリック殿下? 名前の呼び方の問題だけで、婚約を決めるのはどうかと思うのですが……」
前世でも年下好きだったわたしには、確かにセドリックはかなりストライク。
でもまあ、あくまで観賞用だ。恋愛対象としては、ない。
「違います!」
セドリックは憤慨したように顔を赤くした。
「僕は本気です。名を呼んでほしいから、結婚を申しこんだのではありません。愛しいアーリアだからこそ、親しく接してほしいのです」
立ち上がったセドリックは両手で、わたしの手をつかんだ。
昔より大きくはなったけれど、まだわたしより目線は下。子供だ。
その子供が、天使のような美少年が、熱く潤んだ目でわたしを見上げてくる。
「愛しています、アーリア」
もうあかん、だめだこりゃ……。
感情やら理性やら体力やら精神力やら、すべてが限界を突破し、わたしの意識は暗転した。