スペシャル企画 儚く甘い 番外編追加しました
「行きたい。未来に。」
「行こう。3人で。だからもう少し、頑張ろう。」
強く強く握りあう手にはお互い汗をかいている。

宏貴の言葉に恵理はしっかりと頷きもう一度、いきむ。

男の子かな・・女の子かな・・・
どちらに似てるかな・・・
どんな声だろう・・・

磯貝医師のアドバイスを思い出して恵理はプラスの思考に切り替える。

妊娠検査薬で妊娠が分かった瞬間。二人で抱き合って涙を流したこと。
つわりでつらい時期は宏貴が夜中でも、食べられそうなものを買いに行ってくれたり、吐き気にトイレに駆け込むとまるで廊下に立たされた生徒のように、恵理がトイレから出てくるのを待っていたこと。
赤ちゃん用品を買いに行った時、無邪気すぎる宏貴に店員さんが苦笑していたこと・・・。
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