スペシャル企画 儚く甘い 番外編追加しました
「先生は何色が好き?」
「・・・」
彼女は色に例える。
彼女の見える世界は今何色なのか気になる。

そして、今がチャンスかもしれないと思う。
俺がここで返事を間違えなければ彼女の心を救えるかもしれない。

「真っ黒・・・・」
「ん?」
俺の返事を待たずに藤田は目を閉じたまま言う。

「こうしてると、真っ黒。どろどろしていて、何色も吸い込んでしまう黒。深く深い黒。」
「・・・」
「このまま、溶けて、黒に吸い込まれちゃ」
そんなことされてたまるか。

俺は手を伸ばして彼女の腕を引き寄せる。
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