スペシャル企画 儚く甘い 番外編追加しました
「大丈夫か?」
海璃はラフなパーカーとジャケットにジーンズというoffの格好。
かたや私はタイトなロングスカートのスーツに薄手のコート。足元は高いヒールの靴。

「ごめんごめん、俺のせいだ。」
私の前にしゃがむと、海璃はいつものようにやさしく柔らかく笑う。
「おつかれ」
そう言って私の頭を撫でる。

営業もある私たちの仕事では髪形も重要なポイントで私はいつも長い髪をしっかりとまとめるようにしている。そんな私の髪を躊躇なくくしゃくしゃにする海璃。

「おかえり」
「・・・ただいま。」
「怪我無いか?」
「・・・うん」
本当はわかっている。遅くなってごめんねと言うべきだ。
待たせてごめんねと言うべきだ。
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