スペシャル企画　儚く甘い　番外編追加しました
「立てるか？」
海璃に力強く手を引かれて私は簡単に立ち上がれる。

時々・・・仕事でも私を助けてくれる海璃。
そっけなく、私が勧められない仕事や、ミスをカバーしてくれる。
でも、絶対に海璃は自分の力や成績をおごらない。
私が意を決してありがとうと伝えても「おうっ」とそっけなく言って、それ以上言わない。

「派手にやったなー。怪我、してんじゃん。」
そう言って、私の前にしゃがんだ海璃は私の膝を見て、自分が痛そうな表情をする。

「そこに車とめてあるから、歩けるか？」
私のバックをいつの間にか持っている海璃は、私の手を支えるようにして私の様子をうかがっている。
背の高い海璃は私の表情が見えるように、かがんで様子をみてくる。

あー泣きそう。
こういうふとした瞬間、気が緩みそうになるのは年齢のせいなのだろうか。
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