スペシャル企画 儚く甘い 番外編追加しました
永遠はベンチに座り、その隣に車いすをとめる。
夕日が沈むのが見える場所で二人はその景色に見とれる。


「私ね」
デート中途切れることの無かった会話。
でも、どこか名残惜しくなった二人は夕日を見つめながらいつの間にか会話がとまっていた。
その沈黙を破ったのは柚葉だった。

「私、どんどん欲張りになる」
「・・・ん?」
隣に座っている永遠が柚葉の方を見る。

柚葉はまっすぐに夕日を見つめたままだ。
愛する妻の顔が夕日に照らされて切なくも美しいと永遠は見とれながら、柚葉の言葉の続きに耳を澄ませる。
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