悪役令嬢の復讐マリアージュ
楓くんにこんな特技もあったなんて。
あああああ!肩甲骨〜〜〜っっ。
と、あまりに気持ち良くて……

ふと、夢心地の中。
優しく頭を撫でられる。
ああ、前にもこんな夢……
気持ちいいなぁ、起きたくない。
マッサージは身体が気持ちいいけど、これは心が気持ちいい。
……ん?マッサージ?
そうだ私、楓くんにマッサージしてもらってて……

うそ!寝落ちしたっ!?
咄嗟にガバリと頭を上げると。

「うわ、びっくりした」
驚いたあと、吹き出す楓くん。

「もしかして私、寝てた?」

「うん、1時間半くらい」

「1時間半っ!?
何で起こしてくれなかったのっ?」

「ごめん、あまりに気持ち良さそうに寝てたから。
でも、そろそろ起こそうと思ってた。
帰ってきた時間的に、まだやる事あるんじゃないかと思って」

そう、少しでも早く来ようと。
実は夕食もまだだったし、お弁当の仕込みなんかもしなきゃだった。
でもそのせいで、楓くんに1時間半も無駄な時間を過ごさせてしまうなんて……

「ごめんなさいっ」

「なんで?俺的には嬉しんだけど。
だって寝るって事は、それほど気持ち良かったって事だろ?」

「それは、そうだけど……」
ああもう、何から何まで優しすぎ。
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