悪役令嬢の復讐マリアージュ
寝かせてくれた事も、そのために1時間半も費やしてくれた事も、状況を汲み取ってくれた事も、そんなふうにフォローしてくれるのも……

それどころか、この1か月やたらと優しい。
毎日出迎えて、いたわってくれたり。
何かと声掛けきて、その時の作業をサラッと手伝ってくれたり。
いじわるや強引な行動がなくなったり。

だから、マッサージの交渉で久しぶりに強気な態度だったから……
尚更譲ってくれないと思ったのだ。

「それに、杏音の可愛いすぎる寝顔を見守れて、幸せだったし」

なにその甘ゼリフ!
しかもそんなほんとっぽい目で言わないで〜〜。
精神を殺られそうになって、慌てて話をはぐらかす。

「そっ、それにしても、プロ並みの腕前ね」
まるで、疲れてボロボロになってた身体を、新品に取り替えてもらったみたい。

「あぁ、子供の頃からいつも親にマッサージしてたからかな。
その甲斐あって良かったよ」

ああそうか……
そんなとこでも、"自慢の息子"を頑張ってたんだ。
思えば、やたら優しくなったのは……
琉司に負けて、落ち込んでた日からで。
やっぱりまだその事に責任を感じてるのか。
それとも最強のパートナーというのを鵜呑みにして、ご機嫌取りをしてるのか。
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