悪役令嬢の復讐マリアージュ
何にしても、私に対しては頑張らなくていい。

「でももう、寝落ち(こんな事)にはなりたくないから。
やっぱりマッサージは、」
どうにか断ろうとした矢先。

「じゃあ寝る前に来たら?
ただし遅くて俺が寝てたら、その日はナシにしてもらうけど」
そう提案されて。

それならいいかも!と思い直す。
時間を気にせずに済むし。
寝るのを見計らえば、楓くんもマッサージしなくて済むからだ。

「そうね、そうするわ。
じゃあありがとう」
そう立ち去ろうとしたら。
「約束だから」と念押しされて。

寝てても文句ナシだからと、主張してるのかと思って。
もちろんだと思いながら頷いた。


そうして次の日。
ベランダ越しに、楓くんのリビングの照明が消えているのを確認して。
そうっとその部屋を訪れると……

「っ、まだ起きてたのっ?」

楓くんは、天井のシーリングスポットライトを1つだけ点けて、ダイニングテーブルでPC作業をしていた。

「うん、空いた時間に改善提案を進めとこうと思って」

「……いつも何時に寝てるの?」

「バラバラ?
眠くなったら寝てる」

それじゃ目安がわかんないじゃない!
しかもそれ、ちゃんと睡眠取れてるのっ?

「ある程度時間を決めないと、ブルーライトで眠気が妨げられるわよ?」
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