幼馴染みに彼女が出来ました!
裏口からお店を出て、イブが無言のまま私の前を歩くから、置いてかれないようにちょっと早足になる。
そのまま、バスに乗り込んで家に向かって急いで足を踏み出した。
「誰もいなそうだね」
家の手前で周囲を見渡してから、イブは私の手を引いて自分の家の玄関を開けた。
「芽生ちゃんちでも、良かったんだけどさ」
しっかりと鍵をかけてから、玄関で向かい合う形になる。イブが眉を下げて悲しげな瞳で覗き込んできて、必要以上に気をつかっているのが伝わってくる。
「芽生ちゃん、大丈夫?」
「へ?」
「その、俺また聞きだけど。ストーカーに合ってるって」
「ストーカーって……そうと決まった訳じゃないし」
なんて口にながらも、声は震えていた。お母さんも店長も大袈裟だな、と思う一方、やっぱり怖くて。
学校で過ごしている時も、誰かに見られてるんじゃないかって不安で落ち着かなかった。