幼馴染みに彼女が出来ました!
「私っ、………めない」
「芽生ちゃん……え、泣いてる?」
「泣いてないしっ!!」
涙は溢れなかったけど、鼻がツンとして喉が痛くなった。垂れそうになった鼻水をズッと啜る。
なんで、いちいちコイツの言うことに振り回されなくちゃいけないのか。
「やめない!私、バイト絶対にやめない!」
「は?」
「イブが送って!!どうせ近くにいるんでしょ?」
「え、どう……」
「バイトが終わる時間に迎えにきてよ!」
「な、なに言ってんだよ?」
「あんたが送れば問題無いって言ってんの!」
「はぁ?」
「じゃないと、おじさんに言ってやる!」
玄関に強く響き渡る私の声はどんなにヒステリックのものだっただろうか。
目の前には酷く困惑しているだろうイブが立っている。
「あんたが、萌花の格好してるって。言ってやる!!」
イブの大きな瞳が揺れ動いて、より大きく見開いた。