幼馴染みに彼女が出来ました!
「あの店長、仕事は……」
店長の隣の椅子に置いてあるスーパーの袋にチラリと視線を向ける。
中にはカフェで使うであろう食材が入っている。
「大丈夫、大丈夫。冬だし」
「でも……」
「それに、時間的に空いる時間で、望も入ってるから」
ふふふっと右手を口元に当てるから、薬指にはめられた指輪が目に入った。
女の子がつけそうなハートの可愛らしいデザインのもので、男の人は普通つけないタイプだ。
「店長も女装とかするんですか?」
「え?」
「あっ、ごめんなさい!失礼ですよね。すみません、忘れてください」
自分の浅はかな言動で、目の前にいる人を傷つけたんじゃないかって焦るのに。
「ふふふ、昔からそう言われる事あるけど。私はピンクとかフリルりぼんは好きだけど」
「……あ、」
「女装はしないわね昔から」
私を傷つけないように、言葉を選んで返事をくれる。