幼馴染みに彼女が出来ました!
「えっ!」
「あの頃の萌花は静かだったわ。綺麗だけど、笑わないフランス人形みたいな」
「そ、うなんですか……」
今でもお人形みたいだけど、そんな時もあったんだ。
「駅前の通りのアニメショップ前で、萌花に声をかけたのよ」
なんて店長が言葉を続けるから、アニメショップにいた事にイブらしさを感じて笑ってしまう。
「その時にね、萌花は本当の事を話して断られたんだけど」
店長は濁してるけど、本当の事って男だってことだよね。
「お店で働くのに逆にそれいいじゃな~いと思ったの。可愛いし話題性もあるし」
さすが店長……、考え方が違う。
「でも、あの子。それは嫌だって」
そう言って店長は悩ましげな息を吐いた。
「な、何でですか?」
「学校の奴等が来るかもしれないからって」
「……確かに」
ミミリンコスの日もあるし、もしかしたら気付かないうちに来てたのかもしれない。