幼馴染みに彼女が出来ました!
「出ようか」
「は、はい……」
ちゃんと紗央に伝えておけば良かった。
尚輝先輩が席を立つから、その後に続いて歩き出した。
図書室の出口に向かう途中で、男子のグループか座る席の真横を通り過ぎる。
ネクタイの色が緑色で情報科を表していた。
テーブルの上には白いスケッチブックが開かれて、皆で何かを作業してる様子がみえる。
ミミリンのイラストだ。色ペンなんか使ってかなり本格的に描かれていた。
凄い上手だな……。
なんて、眺めながら横を通りすぎた。
「凄かったな……。俺びっくり」
「え?」
「芽生ちゃん凄い見てたじゃん」
「……あ、イラストの話ですか?」
あれ、先輩ちょっとひいてる?アニメとか苦手なのかな。
私と先輩は、自動販売機に向かって廊下を歩く。
もし、私もそうだって言ったら尚輝先輩は幻滅してくれるだろうか。