幼馴染みに彼女が出来ました!



どうしよう、言葉が出ない。
こんないい人なのに、自分の都合で幻滅させようとした。
私が傷付かないためにーー。



「そんな泣きそうな顔されると困るな」

「……っ、」

「理由聞いていい?」

「……わ、たし、気になる人が出来て」

「好きなの?」


顔を下に向けて小さく頷く。
膝に乗せた両膝をぐっと強く握り、唇にも力が入った。


全部、先輩に言わせるなんて本当に最低だ。



「そっか、残念」

「……ごめんなさい」

「うん、いーよ。しょうがない」

「……」

「上手くいくといーね」


大きな手が慰めるように、私の頭を優しくポンポンと叩く。

最後まで尚輝先輩が笑ってくれるから、泣いちゃいけないのに、喉が痛くなって泣いてしまった。


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