幼馴染みに彼女が出来ました!
先輩が中庭から出てって、少ししてから紗央が走ってやって来た。
「ちょっと、芽生?え、泣いてるの?」
「ううっ……、ごめん紗央…私」
「どうしたの?」
紗央が心配そうに私を覗き込む。
泣きたいのはきっと尚輝先輩の方なのに、振った側の私が何で泣いているんだって話なのに。紗央は話を聞いてくれた。
「仕方ないけど、早く言って欲しいよ」
「ごめん」
「じゃないと、尚輝先輩かわいそうじゃん」
「ほ、本当に最近の話で」
「うん」
「まだ、よく分からなかったし」
「うん」
「紗央、ごめん」
「……芽生。そしたら私も謝らなくちゃ」
「え?」
「ごめんね、芽生」
「何で、紗央が謝るの?」
「だって、私。芽生が尚輝先輩が付き合えば、一緒に遊べて楽しいだろうなって思ってたの」
紗央が私の隣で、いつもより少し低いトーンで話はじめる。