幼馴染みに彼女が出来ました!
「えー、幼なじみに彼女できた?」
教室に響き渡るのは紗央の声。
自分は幸せだからかとてもテンションの高いトーン。
「芽生、幼なじみなんていたんだね。知らなかった」
あかりはノートから目を離さないまま、口を開く。バイトばかりしてたから冬休みの宿題が終わら無かったらしい。
ま、終わそうと努力している点は偉いと思うけど。
「なんか響きイイよね、幼なじみって」
紗央が両手を合わせて小さく桃色の息をふんわりと吐く。うん、彼女の言いたい事はなんとなく分かる。
「うーん、響きだけはね。実際は少女漫画とは違うんだけどね」
そう、現実はそうなのだ。幼馴染みが背の高いイケメンで、学校の王子様なんて設定では無い。
「あー、確かにね」
「あ、それね……」
紗央とあかりの台詞が重なった。