幼馴染みに彼女が出来ました!




「手を繋いだり、バイトの送り迎えしてくれたりさぁ。それってつき合ってるんじゃないの?」

「あはは……そうだといいんだけどね」


教室で紗央とあかりの三人でテーブルを囲み、お弁当を広げる。
紗央の言葉に苦笑いを返すしかないけれど、確かに表面上はそう思われても仕方ないかもしれない。


先輩達とお昼を食べなくなっても二人とも、いつも通りでいてくれる。

イブの事は無理矢理話させられたんだけど、知られたらマズイ秘密はちゃんと抜いて伝えている。



「でも、情報科かぁ……」

「情報科かぁ……」

「もー、そこはもういいよ」


紗央だけじゃなくて、あかりも続けて残念そうに私に目を向ける。



「そ、それに。アイツのいいところは私だけが知ってればいーの」


自分で言ってて恥ずかしくなる言葉。
惚れた方が負けっていうけれど、それは本当なのかもしれない。



< 163 / 225 >

この作品をシェア

pagetop