幼馴染みに彼女が出来ました!
「イブくん来ないね~」
「……」
紗央と二人で校門の前に並んでいるのは、イブと待ち合わせをしているから。
紗央がどうしても一目会って、何故か挨拶をしたいって言ってきた。凄く心配だけど仕方なくというか、無理矢理ついてきてしまった状態だ。
でも、イブが来る様子なくて。メッセージも既読にならないし、どうしたんだろう。
「おかしいね。クラス行ってみよっか」
「え、ちょっと」
「こんな寒い中、乙女を待たせるなんて許せない!」
「いや、別に……」
「もう、こっちから行くしかないね!」
「え、紗央、待ってよ」
紗央が強引に私の手を引いて、情報科の校舎に向かって歩き出してしまう。
絶対、怒られる。と思いながら情報科の校舎へと足を踏み入れていくと、殆どのクラスの生徒はまだ教室に残っていた。
「何組なの?」
「……二組」
先輩のこともあり、イブが私に逆らえないように私は紗央に逆らえないのだ。