幼馴染みに彼女が出来ました!
「芽生ちゃん、走れる?」
「う、うん」
足がガクガク震えて手もかじかんで、靴もちゃんと履けなくて、転びそうになった。
「芽生ちゃん、大丈夫?」
「う、うん」
外灯の明かりは少なくて、ここがどの場所かなんて分からなかった。
「芽生ちゃん、大きな通りまでもう少しだから」
「う、うん」
同じような家が立っていて、1人だったら絶対に迷い込んでいた。
萌花と一緒だから、イブと一緒だからなんとか走ることが出来たんだ。
やっとの思いで人通りがあるコンビニの前まで出てこられた。
咳と息切れで苦しくて、震えが止まらなくて、その場に腰を抜かしたようにしゃがみ込む。
イブがぎゅっと抱き締めてくれるから、持っていたウィッグをイブの頭につけなおしてあげた。