幼馴染みに彼女が出来ました!




「ふふっ、可愛く撮れたー!」


萌花が満足気に撮影した写真を見るから、隣からスマホ画面を覗き見する。



「か、可愛いけど……完全に萌花が主役じゃん!」

「そんなことないよー」


と萌花は言うけれど、私上手く笑えてないし、目が半分になってるし。

それでも、こいつは頬を桜色に染めて嬉しそうに口許を緩めている。私を見てるのか、それとも自分《萌花》を見ているのだろうか。



「芽生ちゃんも可愛いよ?」

「……はいはい、萌花が1番可愛いですけどねー」

「えー、拗ねてんの?本当に芽生ちゃんも可愛いって」


そう言って、頬に手を当てられる。
男の子にしては細くて小さい方だとは思う。でも、骨ばった指の関節はイブのもの。
そのまま、猫をあやすように撫でられるからちょっとくすぐったい。




「……ありがと」


嬉しくてドキドキするのに。



「クマのぬいぐるみみたいに本当に可愛い」

「……え?」


コイツ、わざと言ってるんじゃないかって位に、デレカシーがないと思う。

< 212 / 225 >

この作品をシェア

pagetop