幼馴染みに彼女が出来ました!
「ふふっ、可愛く撮れたー!」
萌花が満足気に撮影した写真を見るから、隣からスマホ画面を覗き見する。
「か、可愛いけど……完全に萌花が主役じゃん!」
「そんなことないよー」
と萌花は言うけれど、私上手く笑えてないし、目が半分になってるし。
それでも、こいつは頬を桜色に染めて嬉しそうに口許を緩めている。私を見てるのか、それとも自分《萌花》を見ているのだろうか。
「芽生ちゃんも可愛いよ?」
「……はいはい、萌花が1番可愛いですけどねー」
「えー、拗ねてんの?本当に芽生ちゃんも可愛いって」
そう言って、頬に手を当てられる。
男の子にしては細くて小さい方だとは思う。でも、骨ばった指の関節はイブのもの。
そのまま、猫をあやすように撫でられるからちょっとくすぐったい。
「……ありがと」
嬉しくてドキドキするのに。
「クマのぬいぐるみみたいに本当に可愛い」
「……え?」
コイツ、わざと言ってるんじゃないかって位に、デレカシーがないと思う。