幼馴染みに彼女が出来ました!
大きな溜め息と共にカラオケ店から外へ出る。肌に突き刺さる冷たい空気と同時に、嫌でもネオンの光と賑やかな浮かれた光景が目に入った。
盛られた凄い格好の女子に囲まれる酔っ払いのオヤジ。
自身のネクタイを緩ませてスーツを乱したサラリーマン。
大学生かな。肩を組ながら大きな声で笑い転げてる。
スマホ画面に視線を落とせばすでに22時を越えようとしていた。
やだやだ、変なのに声かけられる前に家帰ろ。
急いで足を踏み出したとき、
「……っ、」
「あ、すみません」
赤い服を着た女の子の肩にぶつかった。
ふわふわに巻かれた栗色の長い髪。
白のファーが付いた、赤色のオフショルダーに、同じ赤のミニスカートと黒タイツ。
まさにサンタのコスプレ。どっかのガールズバーの子だろうか。
少し驚いたように向けられる大きな瞳。
その子のふんわりとした雰囲気がわあまりにも可愛くて、ぼんやりと見いってしまう。