幼馴染みに彼女が出来ました!
なんだよ、ちょっと位話したっていいじゃん。文字を書く手を動かしながら、イブに視線を向けた。
重めの前髪が邪魔して、よく表情が見えないけど。集中しているのは分かる。
邪魔じゃないのかな。昔はよく女みたいだって馬鹿にされてたよな。コイツ、女顔だから。だから、顔隠してるのかな。
「芽生ちゃん、見過ぎ」
「ごめん」
「何?」
「いや、前髪邪魔じゃないのかなって」
「別に……って、いででででで」
ふわふわな前髪を右手でぎゅっと掴む、そのままゴムでちょんまげに結うと。イブのおでこがあらわになった。
「何すんだよ」
「目に入ってたから、結んだんだけどら、イブ、前髪あげるの似合うね」
「どうも」
「ちょっと女の子っぽいけど」
「……嬉しくないよ」
プイッとそっぽを向くイブの頬が少し赤くなったので、照れたんだなということが分かった。