幼馴染みに彼女が出来ました!
その夜、いくつもの短い夢をみた。
昨日見たドラマの続き、読んだ漫画の話。全然知らない場所が出てきたり、学校が舞台だったり、断片的な記憶のものも多かった。
その1つの夢の中で、小さな頃よく遊んだ隣の家の男の子が出てきた。
その子は私より背が低くて、細くて、白くて。まるで女の子みたいな子。
「イブちゃん、いじめる子は許さないんだから!!」
「……芽生ちゃん」
小さな頃、体が弱くて病院で過ごすことが多かったイブちゃんは、幼稚園に馴染むことが出来なかった。
「イブちゃんも!泣いてばっかじゃダメなの!」
「……ひっく」
「ちゃんと前を見れば怖くないよ!芽生が隣にいてあげるから!!」
「うん!」
イブちゃんの大きな目から溢れる大粒の涙は凄いキラキラしてて、まるで宝石みたいだった。
芽生の宝箱にしまっておきたいくらい。
それから、イブちゃんと2人で手を繋いで走って空に向かってーーー。
景色がぼんやりとーーーーー。
「………イタッ」
ベッドから床に落ちる音と歌いすぎてガラガラの自分の声で夢から覚めることとなる。