幼馴染みに彼女が出来ました!
「ねぇ、今日行っていい?」
やっぱり食い付いてくる誠先輩。
「嫌がってんだからやめろよ……」
それに対して、人の嫌がることはしない紳士的な尚輝先輩。
「今日は、その休みですから」
「えっ、じゃぁ。今日皆で遊び行こうぜ」
「あ、行きたーい」
誠先輩と紗央が盛り上る中、校舎の方から予鈴が聞こえてきた。やっと、この質問三昧から解放されると、肩を撫で下ろした。
知り合いには、本当にあの姿は見られたくない。
「じゃぁ、また放課後」
尚輝先輩に頭をポンと叩かれる。
顔を上に上げて先輩を見上げれば、優しそうに目を細める表情が目に入った。背高いな、誠先輩と同じくらいだ。
こんなやり取りに慣れてないからか、緊張して、心臓が激しく脈打ち付ける。
「なんか好い人そうだね、優しいし」
「ね、優しいよね!背も高いしね」
あかりの言葉に紗央も同意するように声のトーンを弾ませた。
「うん」
もちろん、私も大きく頷いて、先輩のこと"好い人"だと感じたし。背が高くて笑顔の優しい人だと思った。