幼馴染みに彼女が出来ました!
「誰か心当たりとか無いの?」
「わ、わかんない…」
「変な人につきまとわれたとか」
「……あ、ちょっと前に」
「芽生?」
「誰かに見られてるような感じがしたことが……あったけど。気のせいだと思ってて」
「いつ?」
「だから、わかんないって」
声が震えて、泣きそうになる。だって本当に分からないし、お母さんもピリピリしているのが伝わってくるし。
「ごめんね、でも心配なのよ」
「うん」
「何かあってからじゃ遅いのよ」
「……うん」
「普通のところじゃないんじゃ、そこでのバイトはやめなさい」
"分かった"とも"ヤダ"とも言えなくて、膝の上で拳を作って下を向くしかなかった。