ときめきの香りは貴方ですか？
「さすがに同棲は戸惑った様子だったけど、お母さんが、『一緒に住んでみてダメだったら、結婚する前にわかるから、それでいいじゃない』と言ってくれてね。お父さんも納得してくださった」

そして優也さんは私の手を握り、
「愛里の着替え、2日分だけお母さんに用意してもらった。休みに必要な分取りに行くことも伝えている。別にいつ帰ってもいい。ただ、一緒に住んで欲しいんだ」

私は、嬉しくて涙が溢れ出した。

「私も・・・私も仕事だからと分かっていても、寂しくてどうにかなりそうでした。お願いします」

優也さんは私の返事を聞くと、軽く口づけをして抱きしめてくれた。
冷たい態度だと思ってたけど、愛されていたんだ。
嬉しくてまた涙が出てきた。

職場では、永富さんと久木さんには2人で報告して、仕事に支障がないようにすると伝えた。

永富さんと城崎さんは最後に
「城崎、わかってるよな」「はい」
それぞれ一言だけ話して終わった。

「どういう意味なんだろう？」
私は不思議に思いながらも、職場で知っている人ができただけで、少し安心した。

なっちゃんと龍太には話していいと優也さんが言ってくれたので、お昼休みに報告した。

「うっそ～！愛里ちゃんが付き合ってる？城崎さんと？びっくりだけど、嬉しい！」
「城崎さんは、男の俺から見てもいい男だからな。良かった！愛里ちゃんがいい人と付き合えて」

2人ともすごく喜んでくれた。
あなたたちのお陰だよ。
< 64 / 83 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop