ときめきの香りは貴方ですか?
◆龍太の思い◆

数週間前、龍太が優也さんと私に相談があるからと言うので3人で食事に行った。

龍太が、もぞもぞするばかりだったので、優也さんがお酒を飲ませていくうちに、
「おれ~なっちゃんのこと好きなんですよ~でも~・・・フラれるのこわくて~」

その後テーブルに伏せてしまい、むにゃむにゃと言うだけだった。もう、龍太・・・
「優也さん、どうしましょう」
「もう一度事情聴取だな、これは」
とりあえず今夜は、優也さんと家に送った。

次の日、会議室に永富さん、優也さん、中間さんと私の4人の前に龍太を座らせていた。

「要するにだ、お前、好きなのに告白できないってこと?男らしくない」
中間さんが龍太に問いただした。
学生時代、ラガーマンだった中間さんは、今も体格がいい。

「だってですね・・・」
「だっても何も。それでどうしたいんだ」
「だからそれを相談したくて・・・今度のおめでとう会でフラッシュモブみたいなのをお願いしたくて・・・」
「はあ?俺らがお前のために踊るの?」

中間さんが龍太を追い込んでるのを見て、永富さんが
「まぁ、中間さん、三嶋のために人肌脱ぎませんか」

優也さんも
「俺らの腕の見せ所じゃないですか、中間さん」

「中間さん、私からもお願いします」

私の顔をじっとみた中間さんが
「もーわかったよ。じゃあ、俺企画するから、お前、絶対頑張れよ!」
「ありがとございます!」

龍太は4人に頭を下げて、お礼を言った。
龍太の決戦の日は、優也さんと私の結婚おめでとう会だ。
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