薄暗い水辺で、私は彼を思う
episode 05 私は行動に出た
洗面所で倒れてた私を、母がリビングの長椅子に寝かせてくれていた。
期末試験に向けて、苦手な勉強を頑張ってたから疲れたんでしょ。
なんて笑い飛ばしてる。
本当のことは家族に言えない。
呪われたなんて、信じてくれないよね。
私自身も、何かの見まちがいであってほしいと思ってる。
昼から学校に登校すると、クラスメイトに体の調子を心配されてしまった。
その中で、春日だけは真逆の態度。
私の耳元に口を近づけ、小声で話かけてくる。
「安井先輩、入院したんだって……」
驚く私に向かって、笑顔を見せながら続けた。
「幻覚を見てるように、暴れたんだって。きっと、心が壊れてしまったんだね……」
まさかと思ったけど、少しずつ疑いが確証に変わっていく……