薄暗い水辺で、私は彼を思う


 笑顔で見送られながら、綿貫神社を後にする。


 帰りの電車に揺られながら、スカートのポケットからスマホを取り出す。

 あんなに怖くて見れなかった画面を、私は見つめてる。

 綿貫さんと一緒に撮った画像を、確認してみたくなったからだ。


「綺麗で可愛い巫女さんだったな……」


 そう呟きながら画面を見た私は、思わず目を疑った。


「すごく神秘的……」


 私と綿貫さんの周りに、シャボン玉のような光り輝く丸い物体が浮遊してる。

 神木の精霊たちと、オーブに守られた巫女さん。

 きっと、このお守りがあれば何とかなると思えてしまう。


 退魔系の神社に見えない穏やかな外見の綿貫神社。



 また遊びに行っても、歓迎してくれるよね……




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