血と雪とヴァンピール
私は、倒れたまま顔をあげてでそれを見る。
赤い水たまりの上で赤いコートを来た女性がいる。
なんとも白い女性だ。髪も肌も白くそれゆえに、肌に付着した汚れがより鮮明に、鮮血に見えるのだ。
赤いコートが蒸気を放っている。熱を持っている。
つまり、血だ。元々赤かったであろうにもそのコートはワイン色のシミが覆っていた。
それは彼女の血だ。そう思うと私はすぐに立ち上がり、彼女に駆け寄った。
ええと。ええと。まずは…
パニック状態の私に彼女は優しく微笑んで囁いた。
「血…」
そうだ、まずは血を止めないと…
わたしは自分のマフラーを使って彼女の傷を押さえようとした。
しかし、コートの下の赤く染まった雪色のシャツは数ヵ所の刺し傷と、
右肩には銃痕が残っていた。とてもじゃないけど私のマフラーだけじゃどうしようもない。
クラウドのマフラーも使おうとしたけど、さっき転げ落ちたときに落としたみたいだ。
「いいのよ…」
彼女は私があてがっていたマフラーを弱々しく握る。
「諦めちゃだめです!まだ…!」
まだ…!まだなにか…!
それでも彼女は首を横に振る。
そして彼女の瞳を見つめる。
「あなたの血を頂戴。」
呑み込まれそうな目。わたしはこんな状況にも関わらずに美しいと思ってしまったのだ。
「まだ、あの人のために死ねないの」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
006
確か7歳の頃だったかな。
大けがをしたことがあった。
理由はあんまし覚えてない。
結構、血を流したはずのケガだったのに。
全然覚えてないの。
不思議だよね。
気が付いたらパパとママの顔があって。
そして、看護婦さんがいて。
そのままウトウトして、眠っちゃった。
それだけ。なんでこんなこと思い出したかわかんないけど
なんだか今温かい気持ち。
牙が少しチクってする首元。
またあの時みたいに。ウトウトしちゃった。
次、目覚めたときには誰の顔があるんだろう。
今度はパパとママとクラウドもいるかな。
あの看護婦さんもいたりして…
そのまま私は安らかに眠った。
美しい吸血鬼の微笑みに抱かれながら。
「…」
なんか死んだみたいな演出されちゃったけど、
生きてるよね?ベッドのシーツに納められていた手をバラの金装飾は彩られた天井をぼかしながら月光に照らし合わせてみる。
え?もう夜か…。まだ眠気が引きづる眼を閉じる。
赤い水たまりの上で赤いコートを来た女性がいる。
なんとも白い女性だ。髪も肌も白くそれゆえに、肌に付着した汚れがより鮮明に、鮮血に見えるのだ。
赤いコートが蒸気を放っている。熱を持っている。
つまり、血だ。元々赤かったであろうにもそのコートはワイン色のシミが覆っていた。
それは彼女の血だ。そう思うと私はすぐに立ち上がり、彼女に駆け寄った。
ええと。ええと。まずは…
パニック状態の私に彼女は優しく微笑んで囁いた。
「血…」
そうだ、まずは血を止めないと…
わたしは自分のマフラーを使って彼女の傷を押さえようとした。
しかし、コートの下の赤く染まった雪色のシャツは数ヵ所の刺し傷と、
右肩には銃痕が残っていた。とてもじゃないけど私のマフラーだけじゃどうしようもない。
クラウドのマフラーも使おうとしたけど、さっき転げ落ちたときに落としたみたいだ。
「いいのよ…」
彼女は私があてがっていたマフラーを弱々しく握る。
「諦めちゃだめです!まだ…!」
まだ…!まだなにか…!
それでも彼女は首を横に振る。
そして彼女の瞳を見つめる。
「あなたの血を頂戴。」
呑み込まれそうな目。わたしはこんな状況にも関わらずに美しいと思ってしまったのだ。
「まだ、あの人のために死ねないの」
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006
確か7歳の頃だったかな。
大けがをしたことがあった。
理由はあんまし覚えてない。
結構、血を流したはずのケガだったのに。
全然覚えてないの。
不思議だよね。
気が付いたらパパとママの顔があって。
そして、看護婦さんがいて。
そのままウトウトして、眠っちゃった。
それだけ。なんでこんなこと思い出したかわかんないけど
なんだか今温かい気持ち。
牙が少しチクってする首元。
またあの時みたいに。ウトウトしちゃった。
次、目覚めたときには誰の顔があるんだろう。
今度はパパとママとクラウドもいるかな。
あの看護婦さんもいたりして…
そのまま私は安らかに眠った。
美しい吸血鬼の微笑みに抱かれながら。
「…」
なんか死んだみたいな演出されちゃったけど、
生きてるよね?ベッドのシーツに納められていた手をバラの金装飾は彩られた天井をぼかしながら月光に照らし合わせてみる。
え?もう夜か…。まだ眠気が引きづる眼を閉じる。