煌めく星を君にあげる
リリーとアレクは婚約をしていて、来年に盛大な結婚式が開かれる予定だ。リリーはアレクの国に行くことが決まっている。

王族や貴族はまだまだ親の決めた相手と結婚することが続いており、政略結婚だと生涯冷え切った夫婦関係であることが多い。しかし、リリーとアレクは互いに一目惚れをし、まるで平民のカップルのように過ごしている。そのため、こっそりデートをすることもあるのだ。

「アレクはもう休んで？長旅で疲れたでしょ？」

アレクは今、リリーの国に遊びに来てくれている。アレクの国はリリーの国からかなり離れている。長時間馬車で揺られていれば疲れるだろう。

「僕は全然元気だよ！リリーが眠れないのに眠るわけにはいかない」

アレクは笑って言う。彼のこういう優しさが好きで、リリーの胸が温かくなっていった。

「じゃあ一緒に寝る？」

王族のベッドは一人用であったとしても、二、三人は余裕で一緒に眠ることができる広さだ。リリーの提案にアレクは頬を赤く染めた。
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